株式会社エッグシステム 高橋氏|チームの約75%が副業人材。事業運営・マネジメントの方法
ー株式会社エッグシステム CEO 高橋翼さんー
プロフィール
・株式会社エッグシステム代表取締役
・コンサルティングエンジニア集団『x-faCE(クロスフェイス)』をつくる
・大手SIerでPG・SE・プロマネ・情シス出向→システムコンサル会社→起業
事業概要
―まずは、事業概要について教えてください。
社員数100名以下のベンチャー・中小企業に対するシステムのコンサルティングとシステム開発をしています。具体的には「会社全体をデジタル化していこう」「もっと自動化していこう」「ここにシステム投資をしていこう」といった、その企業の中長期的なITの戦略を立てます。次の段階では「直近で○○システムを入れて効率化しよう」「会計システムをリプレースしよう」など具体的なシステムの導入の企画・計画を行います。
こういったシステムの企画のフェーズから入り、お客様と一緒にプロジェクトを立ち上げます。ただ、規模が大きい場合、弊社では開発を受けられないこともあります。その場合、世の中にあるパッケージ・ソリューションから比較検討・選定し、導入支援までやっています。
このように基本的には一気通貫で関わらせていただいています。ただ、開発を他社へ依頼する場合は、弊社はお客様の立場から、PMOの立ち位置でマネジメントをします。小さいシステムであれば、弊社が開発する場合もあります。
【株式会社エッグシステムHP】https://eggsystem.co.jp/
Project Management Officeの略。「プロジェクトマネジメントオフィス」とも呼ばれる。組織の中で実行される複数のプロジェクトについて、統括的な管理やサポートを行うための機能や専門組織のことをいう。
PMOの仕事は、プロジェクトマネジメント業務の支援・プロジェクト環境の整備・プロジェクトマネジメントに関係する人材の育成など、企業やプロジェクトの規模により多岐に渡る。
創業以来、フルリモートのわけ
―リモートワークを取り入れたきっかけを教えてください。
リモートワークは創業期から行っています。理由として、弊社には私と社員に加え、副業のエンジニアがいます。副業メンバーは業務委託で、平日の日中は本業をしているため、土日・平日の夜に打ち合わせをする機会が多いからです。さらに、その副業メンバーの数も多かったため、必然的にリモートワークになりました。「本業終了後、対面で打ち合わせをするのも大変なので、webで打ち合わせをしよう」といった流れでした。
今現在、副業メンバーは12人います。平均すると週1日活動のメンバーが多いですね。かなり細分化した形でタスクを割り当てて、受託系の開発の一部分に携わってもらっています。そのため、副業メンバーには即戦力になる経験者が多いです。知り合いから紹介して頂いた副業メンバーもいれば、エンジニア向けの勉強会などを小規模で開いているので、そこで繋がったエンジニアもメンバーにいます。
リモートワークのメリット
―リモートワークを導入して感じたメリットを教えてください。
すぐに打ち合わせができる点・移動時間が必要ない点ですね。すごく個人的なメリットとしては、家事をしやすいことです。在宅だと休憩がてらに洗濯物をたたんだり、買い物・夕飯の手伝いなど働き方の柔軟性がある点がメリットだと思っています。
―社員の方から、メリットの声はありますか?
働きやすさの観点で言えば、弊社は元々リモートワークなので出社が必要ありません。さらにスーパーフレックス制度があるので、厳密に働く時間を指定していません。ですので、平日一日開けて、その代わり土日に働くという働き方も可能です。
また、リモートワークにすることで、時間のコントロールがしやすいです。だからこそ弊社の社員に対しても、副業を推奨しています。実際に社員は副業していますね。私自身も会社員時代に副業をしている時に会社を作りました。だからこそ、副業に対してネガティブな印象がなく、逆にポジティブに捉えています。
多様なメンバーのマネジメントについて
―副業人材の管理は、どのようにされていますか?
スケジュールをGoogleカレンダーに登録し共有することで、「誰が・いつ・何の作業をするのか」を把握しやすいように工夫しています。
あとは、プロジェクト・案件ごとに週1回は定例の打ち合わせを設けています。その場で、個人から「今週は○○をしました。来週は○○をします」といった進捗確認をしてもらっています。
ー福利厚生として、何か取り組みはされていますか?
生産性の向上のために福利厚生として、出張のマッサージを経費で落とせるようにしました。エンジニア職はずっと机に座りっぱなしです。これは生産性にも影響があると考え、月2回まで出張マッサージを受けることを可能にしています。珍しくはないですが、その他にも、勉強のためにセミナーや書籍を経費として落とすことができるようにしています。
―副業人材だからこそ、本業との兼ね合いで時間をコントロールできなかった場合、そのカバーはどのようにされていますか?
結果的に、社員がカバーすることが多いです。なるべく、そういった事態に陥らないように、副業メンバーに対しては「本業が忙しくなりそうだったら、早めにアラートを出してね」と伝えています。
また、各副業メンバーの稼働が週1日など少ないことが多いので、その分、人数でカバーできるようにしています。誰かが稼働できなかった場合、他の人に頼めるようにして、リスクヘッジしています。
リモート下のマネジメントについて
―リモートでメンバーをマネジメントする上で、難しいと感じることはなんですか?
1番は、コミュニケーションですね。
例えば、今月から新しく参画したメンバーがいても、副業のメンバーだと物理的に会う機会が少ないです。これにより、同じオフィスで隣の席で仕事をする場合と比較すると、信頼関係が作りづらいんです。そういった関係性だと、「忙しそうだし、あまり無理を言えないな」「こんなことは質問してもいいのだろうか」などと遠慮をしてしまう状況になります。「聞きたいけど聞けない」という心情から、一人で抱え込んでしまうようなケースは実際にありました。
この事例は、案件の振り返りで発覚しました。この反省を活かして、週1の定例進捗会議の中で、KPTの振り返りを1週間単位で行っています。例えば、技術的に他のメンバーより遅れている人がいると分かれば、個人でフォローしてキャッチアップをしたりするようなこともしています。これを取り入れたことで、前と比較すると少しずつ改善していっていると思います。
KPT法とは、取り組んでいる仕事や活動を改善するための振り返り方法のひとつ。現状を見直す際に、「Keep(このまま継続すること)」「Problem(課題)」「Try(解決策)」という3つの項目、すなわち「KPT」を書き出し、今後どうするかを考えるもの。スピード感を重視し、短期間での開発を繰り返して改良を重ねるためには、KPT法による改善策の洗い出しが大変効果的。
プロジェクト運営などはもちろん、仕事以外のチームの能率アップや個人での生活の見直しなど、あらゆるシチュエーションで活用されています。
―リモートワークでのマネジメントで利用しているツールはありますか?
スケジュール管理はGoogleカレンダー・Webの会議はZoom・普段のやり取りはSlackです。タスク管理は、以前はTrelloを使っていましたが、GitHubを使っています。GitHub上でissueを担当者ごとに割り振り、タスク管理をしています。
Slackでは雑談ルームも作っています。仕事の話は完全に禁止で、本当に雑談のチャンネルにしています。「最近お酒弱くなったよ」など、時間も設けず、適宜ゆるく話しています。
採用時に重視するポイント
―リモート採用する時に重視する能力はありますか?
二つあります。一つ目に、最低でも現場で3年ほど経験を積んだエンジニアです。弊社はまだ小さい会社なので、未経験は採用する余裕がないですね。
もう一つは、弊社の理念・価値観に合っているかどうかです。弊社のミッションは“献身的な人のためにITシステムを活用する”です。弊社では“献身的な人”を「目の前の人のために頑張れる人」「誰かのために行動できる人」と定義しています。ですので、そういった価値観を持っていて「他の人にやさしくできる」「自己中心的ではない」人を求めています。
採用要件とマッチしているかどうかは、直接、私が話して判断しています。その人の過去の経験・キャリアなどについて会話をする中で確認しています。また、弊社のミッションやビジョンについても語るようにしているので、そこに共感してくれるかどうかも、大事にしています。
―カルチャーフィットする人材(エンジニア)はどんな人材でしょうか?
やはり、弊社のミッションにある献身的な人というのが1番ですね。そういった他人への思いやり・優しさがある人材です。
あとは、チームワークを大事にしています。特に弊社は、沢山の副業メンバーと一緒に、チームで仕事をしています。x-faCE(for all Consulting Engineer、呼名:クロスフェイス)というチーム名で、メンバーは副業メンバー+私+社員です。このチームワークを大切にしたいので、他者を尊重できる人材を求めます。
今後採用したい人物像
―今後の採用について教えてください。
正社員採用をさらに進めたいと考えています。正社員の場合だと、自走できる人を求めています。「受け身・待ち姿勢ではない人」です。弊社は大企業に比べて、ルールが整っていません。だからこそ「本当はやりたいけど、まだ実現できていないこと」も沢山あるので、正社員としては積極的に行動できる人がいいですね。
積極的に行動できるかどうかは「過去にどのような経験をしてきたか」という話の中で、「案件の仕事に+αで何をしたのか」で判断します。「リーダーとして活躍した」「プログラマーとして○○した」は当たり前です。ですので、それに加えて、例えば「チームの改善活動をしていました」というのがあるといいですね。言語に関してはPHPかJAVAですね。
採用の課題
―正社員も採用されていますが、エンジニア採用で難しいと感じることはありますか?
正社員としては、やはり優秀な人材の確保が難しいことです。現時点でも私と正社員合わせて3人しかいないので、1人あたりの仕事量が大きいです。だからこそ「自走できて、スキルもあり、ある程度仕事を任せられる人」でないと厳しいです。ですので、高めのレベルを求めています。
ただそのような優秀な人材は引く手あまたで、今の現場から離れられないと思うので、難しいと感じています。他には、紹介での採用には人脈も大事だと思うのですが、弊社の場合は人脈が弱いと思っています。
今後の事業方針や採用方針
―今後の採用方針・事業方針について教えてください。
採用人数に関しては、100人のコンサルティングエンジニアチームを作るという目標があります。その内訳としては、正社員を20人・副業メンバーを80人の構成で考えています。直近の目標としては、正社員を一人採用したいです。
事業方針としては、我々が勝手に作った“コンサルティングエンジニア”(システムコンサルティング+エンジニアリング)という造語を広め、コンサルティングエンジニアといえば弊社のx-faCE(クロスフェイス)というチームだと思ってもらえるようにしたいです。システムの企画から開発・運用まで一気通貫で対応させていただいていることが、弊社の強みです。特に、IT人材が不足している中小企業はかなり多いので、そういったニーズに対して支援させていただきながら、“コンサルティングエンジニア”を広めていきたいと思っています。
【株式会社エッグシステムHP】
リモートビズでは、完全リモートのエンド直案件のみをご紹介いたします。
これまで、案件を紹介したエンジニアは常駐で勤務していた方が「収入が上がった」や「好きな時間で働ける」など数々の実績をあげております。また、今回ご紹介した企業様もご紹介することが可能です。
リモートワークの求人やお仕事の相談なら、是非リモートビズまでご連絡ください。
投稿者|柳 恭平
リモートビズ運営責任者。約3年間のフリーランスの経験をしてリモートビズに参画。
営業,企画,マーケ,広報,エンジニア対応とマルチに対応。最近ではPythonを使った業務効率化する方法を習得中。